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ジオン(消痔霊)

ジオン(消痔霊)は、1979年に中国中医研究院広安門医院の史教授が考案した内痔核の手術法を、日本で改良したもので、平成16年7月に、厚生労働省に承認されました。

ジオン(消痔霊)は、硫酸アルミニウムカリウムを主成分とした薬液を内痔核の上方と中央の粘膜下層、中央の粘膜固有層、および下方の4ヶ所に注入し、硫酸アルミニウムカリウムによって痔核の間質に炎症を起こして、痔核の硬化・退縮を期待する治療法です。

ジオン(消痔霊)のよい点と危惧する点は、次のとおりです。

・よい点
?史教授によれば、中国では10万例以上行われており、治癒率は99%と驚異的な数字で、手術をしてから3年後に起きた内痔核の再脱出は、1%です。

?日本におけるジオンでの脱出消失率は103例中、28日後が94%(97例)、1年後は追跡できた73例中84%(61例)でした(三菱ウェルファーマ・総合製品情報概要)。

?液体を内痔核に注入するだけなので、4日ほどの短期入院での治療が可能です。


・危惧する点
?ジオンのデータをみると、1年間経過観察できた79例中6例が最初から効果がなく、12例が1年以内に再発しています。

無効・再発例23%(18例)は、結紮切除手術の無効・再発例2%、ICG併用レーザー照射法無効・再発例1.5%に比べ多いと思います。

?ジオン(消痔霊)を内痔核に注入する手技は難しいように思われます。

内痔核に注射する場所や深さにはコツがあり、注入する場所を間違えると直腸筋層が壊死したり、直腸が狭窄を起こす可能性があります。

?ジオン(消痔霊)の主成分にアルミニウムが含まれていることです。

1970年代に、腎透析にしようされていた溶剤中のアルミニウムが原因で、アルツハイマー病と同じ神経症状があらわれる、透析痴呆という病気になる患者さんが続出しました。

それ以来、多くの診療科ではアルミニウム製剤の使用には慎重になっています。

ジオン(消痔霊)は、腎透析している患者さんには禁忌、腎障害のある患者さんには慎重投与ということで承認されましたが、他科で使用を中止しているアルミニウムを血管が豊富な肛門組織に注入してよいものなのか、よくわかりません。

この記事のカテゴリーは「内痔核の手術と治療法」です。
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